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村田 右富実

村田 右富実 Migifumi Murata
日本上代文学研究

研究分野
 『万葉集』を中心に上代文学を研究しています。飛鳥~奈良時代、この列島は大きな変革期を迎えます。漢字を利用して日本語が書き始められ、歌を書き留める方法も開発されました。現在我々が当たり前に使用している「文字」が日本語にも適用されたのです。その結果、韻文(ウタ)も書き記されるようになり、その結実が『万葉集』です。千三百年前の人たちの喜びや悲しみがどのようにウタに表されているかを知りたいと思っています。
ここが楽しい!ここがうれしい!
 奈良を歩いていると、「あっ、ここには飛鳥時代がある」と感じる瞬間があります。すると、脳裏に万葉集の歌が立ちあがります。この楽しさを一度知ってしまうと、万葉故地歩きはやめられなくなります。これだけでもとっても楽しいのですが、でも、それはおそらく一人一人の心の中に自分で仮構した二一世紀から見た飛鳥時代であり、奈良時代でしかありません。
 そこで、今度は心の中の仮構された世界を、歌表現と真摯に向き合うことを通じて、可能な限り客観的に記述しようします。その作業は、辛さや苦しさを伴います。時には、その世界は自分の心の中で勝手に作り上げてしまっただけのものだと自覚します。悲しくなります。それでも、その隘路の先にしか研究は存在しません。その先にある何かを見つけた一瞬のうれしさが忘れられずにまた歌を読みます。
ゼミ紹介
 『万葉集』は漢字だけで書かれています。また、同時代の文献が『古事記』、『日本書紀』、『風土記』くらいしか残っていません。なので、どうしても隣接研究分野からのアクセスが必要になります。国語学、歴史学、考古学、そうした分野との総合的な理解が求められます。
 実際には、漢字で書かれた万葉歌を読むことが全ての基本になります。一首ずつ丁寧に読み進めて行きます。
卒業論文題目
○明日香皇女挽歌論
○万葉集における大君について
○坂上郎女と大伴駿河麻呂の歌十三首
○乞食者詠二首の考察
○万葉集讃酒歌について
○古事記における結婚について