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松本 大

松本 大 Ooki Matsumoto
中古文学研究

研究分野

中古文学(平安文学)を研究しています。私の研究は、作品そのものへの読解だけではなく、作品が現代までどのように読まれ、扱われてきたのか、という点(享受・受容)に目を向けたものです。具体的には、『源氏物語』や『伊勢物語』の古い注釈書(主に室町期成立のもの)を中心に扱っています。それぞれの時代で、どういった人々が、どういった点に関心を持ち、どういった解釈を行っていたのか、様々な資料を用いながら多角的な検討を加えています。

ここが楽しい!ここがうれしい!
古典文学作品は、作品のみが現代まで伝わってきたわけではありません。作品を読み、書き写し、分からない箇所に注釈を加え、時には新たな作品へと再生産されることもありました。現代まで残っている古典文学作品は、過去の人々が脈々と受け継いできたものであり、彼らの営為がなければ現在では目にすることが出来なかった可能性もあります。現代まで作品を伝えてくれた各時代の先人達に感謝しつつ、現代の我々もこれから先の時代に作品を伝えていかなければならないと考えています。
その第一歩が、作品を読む、という行為です。読まれなくなってしまった作品は、時代の流れとともに消えていってしまいます。作品を読むことは、作品を享受する最も簡単な行為であると同時に、最も基礎的で重要な行為です。
と言っても、堅苦しく考える必要は全くありません。なんとなく作品を手に取り、気軽に読み始めたとしても、それは作品を後世へと伝えるという営みを既に行っていることになるのです。学生のみなさんには、出来るだけ多くの作品に触れてもらいたいなぁ、と思っています。

ゼミ紹介
作品をしっかりと読み、適切に理解するところから始めます。『伊勢物語』や『源氏物語』を中心的に扱うことが多いですが、もちろん、その他の作品にも触れていきます。作品を読解する際、特に重視しているのは、どこからそれが読み取れるのか、という点です。明確な根拠や証拠を示さなければ、折角の読解が成り立たなくなる場合もあるからです。
平安文学の領域には、非常に膨大な研究の蓄積があります。しかし、その人にしか出来ない読解もまた、必ず潜んでいます。それを見つけ出し、自分なりに説明を考え、相手に的確に伝えられるようになることが、最終的な目標です。