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専修紹介

 国語国文学専修は、日本語や日本文学を題材として、日本人の精神や日本文化の有り様について考えます。
 高等学校あるいは小・中学校における「国語」の授業では、教科書に掲載された文章を読んで、作者が何を意図して執筆したのか読み取ったり、漢字や文法を暗記したりしていたのではないでしょうか? またとくに「古文」は、古語文法と主要単語の暗記を強いられ、忠実な口語訳を行うことに追われていたのではありませんか?
 国語の教員を目指す学生が、教育実習先の学校でこんな質問をされたそうです。
 「普段から使っている日本語を、学ぶ必要なんてあるのかな?」
 「どうして、現在使っていないことばを学んで、昔の人が書いた文章を読まなければならないの?」
 みなさんも同じような疑問を感じたことがあるかもしれません。しかし、大学で学ぶ「国語学(日本語学)」や「日本文学」は、高等学校までの「国語」とは異なります。
 たとえば「日本語」について考えてみましょう。みなさんが暗記した古語文法(主要単語も)は、少しずつ、現在使っていることばに変化していったのです。もちろん、その変遷には、日本人がどういったことばを必要とし、どういった性質のことばを好み、使用しようとしたかが関わっているわけで、そこには、日本人の言語感覚や、言語に表象される精神が隠されているのです。
 「日本文学」も同様です。作者が生きた時代、その当時の学問(教養)や倫理観・宗教、そしてもちろん歴史的背景など、作者が生活していた時代の文化的環境を追体験しなければ、作品を解釈することなど不可能です。逆に言えば、作品を読み解くことで、作者が生きた時代を知ることも可能になるわけです。古典文学(もちろん夏目漱石や森鷗外・芥川龍之介の小説も)のように、長い年月をかけて読み継がれてきた作品は、作者だけでなく、時代・時代に読者が存在し、現在に至っています。過去から現在までのさまざまな時代を生きた人々の「想い」が、これらの作品を伝えてきたのです。日本人の精神史を辿る題材であることにも気付かされます。
 国語国文学専修は、総合的な視点をもって日本人や日本文化を考え、わたしたちが生活する「日本を知る」ことを教育目標とする専修です。国際化が進むなか、さまざまに問われる「日本」について学んでいきます。


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